Works課題解決事例・VAVE提案事例

海外製カールコードの信号不良改善

ニーズ
無線機にて電源が落ちる、通信が途切れる、音声が乱れるなどのトラブルが多発
ソリューション
ご要望の屈曲性能、その他性能を満たすことが可能なケーブルをご提案の上、試作、信頼性評価試験を実施し、採用
課題内容 断線、信号の乱れ、ショート
製品種類 カールコード
製品の用途 無線機器

相談内容

緊急車両の無線機に海外製カールコードを使用していたお客様からのお問い合わせ事例です。無線機にて電源が落ちる、通信が途切れる、音声が乱れるなどのクレームが多発し、大きな問題に発展してしまっておりました。
カールコードを交換すると症状が改善するため、原因はカールコードにあると考えており、カールコードの解析調査をしてほしいと当社にご依頼いただきました。

提案・解決内容

お打合せ時に海外メーカーのケーブル仕様書を見せて頂きましたが、仕様書上では特に問題ないケーブルと判断できました。
しかし、実際に弊社にて現物をお借りし解析を始めたところ、仕様書と現物が色々異なっておりました。
導体構成は、仕様書上は耐屈曲性を考慮したものになっていましたが、現物は可動部に不向きな固定配線用の導体構成となっていました。
製造者がユーザー様に許可なく独断で仕様を変更していた模様です。
また、絶縁体に偏肉があることがわかったため、輪切りにしてみたところ、各心線の導体が中心にない状態が確認できました。
無線機の使用頻度が高いということもあって、これらによって断線やショートを起こし、機器に異常をきたしていたことが推測されました。
弊社としても、これまで数多くの海外製ケーブルを見てまいりましたが、ここまでのものは初めてで、ユーザー様にはただちに使用を停止するべき旨をお伝えしました。
その後ユーザー様から、代替品を提案してもらえないかとご依頼いただきました。ご要望の屈曲性能、その他性能を満たすことが可能なケーブルをご提案の上、試作、信頼性評価試験を弊社で実施し、採用されました。

備考

その後ユーザー様で市場に出ているものを全て弊社製カールコードに交換したことで現場からのクレームがなくなり信頼が回復でき、交換・メンテナンス費用等も大幅に削減できたと評価を頂きました。
その後約10年経過しておりますが、現在も問題なくお使い頂いているとのことです。

たしかに海外製カールコードは安価ではあります。ですが、当事例のように初期段階で仕様を決め、信頼性評価試験まで行って採用となったにも関わらず、いつの間にか仕様が変更されていたという現象は各所で耳にいたします。いわゆるサイレントチェンジです。
厄介なことは、ただちにトラブルが発生するのではなく、市場に流れ使用しているうちに劣化が進み、次々と問題が発生するということです。
機器のトラブルの7割はケーブルが原因といいます。もちろんケーブルを過剰品質にすれば良いというものでもありません。弊社では使用環境や使用頻度、コストなどお客様のご要望を出来るだけ考慮した製品を設計するよう心掛けております。
是非弊社にご相談ください。